先週、神戸のアートビレッジセンターで映画「プリズムの色、時間のメカニック」をみました。監督のジャクリーヌ・コーさんとフェラーリ夫人のブリュンヒルドさんにもお会いできてよかった。この映画、アメリカの実験作曲家のある日常の断片を描いていますが、その切り口が鋭い。テリー・ライリーの柔和な表情。ラモンテ・ヤングのくねくねとした蛸のような手から繰り出される「ウェル・チューンド・ピアノ」の神聖な響き、日常の表情のなかに見え隠れるグラスの目の鋭さ。アコーディオンの響きのなかにあらわれるオリヴェロスの瞑想などなど〜〜。たしかに「アメリカは、多様の音楽を生みだしてきた」ことをあらためて実感。「もうブーレーズのコピーはいらないでしょう」とジャクリーヌさんのコメント。12/18に東京でも上映。いまだにドイツ・フランス楽派の無調のなかに縛られている日本の若い作曲家たちは、ぜひ、見るべきでしょう。
以下がその情報:
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〜ブリュンヒルド・メイヤー・フェラーリ氏とジャクリーヌ・コー氏来日記念〜
日本初上陸のドキュメンタリー映画上映と音響作品上演!
音響芸術の異端児としてカリスマ的人気を誇り、2005年に急逝したフランスの作曲家、リュック・フェラーリ。その活動においてキーパーソンであった映画監督のジャクリーヌ・コー氏、そしてフェラーリ夫人で作曲家のブリュンヒルド・メイヤー・フェラーリ氏を招いて、日本初上陸となる最新映画を上映します。ジョン・ケージからリッチー・ホーティンまで、実験音楽の覇者たちによる豪華な顔ぶれが揃う「プリズムの色、時間のメカニック」。フェラーリの音楽作品に深く迫った「引き裂かれた交響曲の物語」。そしてフェラーリ夫人の極めて個性的な音響作品「Tranquilles Impatiences」。ファン垂涎モノの貴重な映像と、Soupの魅力的なサウンドシステムに支えられたフェラーリの音のエスプリを、たっぷりとお楽しみ下さい。
2011年12月18日(日)15:30開場 16:00開演
料金:2000円
問:メール> ferrariinsoup@gmail.com (渡辺)
Soup 03-6909-3000
映画「プリズムの色、時間のメカニック」(96分、2009年)
制作&監督:ジャクリーヌ・コー 作:ダニエル・コー
映画「引き裂かれた交響曲の物語」(54分、2010年)
監督:ジャクリーヌ・コー
音響作品「Tranquilles Impatiences」(20分25秒、2010年)
作曲:ブリュンヒルド・フェラーリ
※フラットスペースでの上映です。定員目安40〜50名迄。
協力(敬称略):Soup/同志社大学今出川校地学生支援課/椎名亮輔/バティスト・フランソワ/布山陽介