2009年 04月 19日
Mind in Sound |
またまた、ブログが中断しておりました。この最近の出来事を綴ります。
2月21日から3月10日まで福岡市にある三菱地所アルティアム・ギャラリーで「Mind in Sound」というサウンドアートの展覧会が開催され、いくつかのサウンド・インスタレーションが展示されました。
そのひとつが「Paphio in My Life」。銅金裕司さんとのコラボレーションで、以前、新宿のオペラシティのNTT・インターコミュニケーションセンター(ICC)で展示された作品。蘭の一種のパフィオペディラム数十鉢によるもので、その電位変化の変容が天井の仕掛けられた数十枚の塩ビ・シートのよって音響化。ICCに比べ、展示空間のほどよい大きさだったため、蘭と人間との距離感、音響の広がりに一体感があったように思いました。
また、今回の展覧会のためにサウンド・インスタレーション「珪藻土の声」をあらたに制作。珪藻土とのつきあいは、2005年の金沢21世紀美術館での「珪藻土アートプロジェクト」からですが、昨年は、陶芸家の伊藤公象さんと文房堂ギャラリーで「珪藻土礼賛」という展覧会を行いました。このような経験を踏まえて、今回の作品では、焼成した珪藻土の塊を水に沈めて、その塊に内包された空気がはき出される吐き出される響きに着目。まさに「珪藻土の息」に耳を傾ける作品となりました。金沢21や文房堂では「珪藻土の息」の響きを録音して音素材にしましたが、今回は、まさにリアルタイムのなかの出来事として「珪藻土の息づかい」をとらえてみました。そのために、4つの小さな水中マイクを製作。水槽のなかに沈めた珪藻土の塊の表面にそれらのマイクを付着させ、ダイレクトに「珪藻土の息音」をキャッチ。その響きは、水槽の支えとなる土台に組み込んだ4枚のパネルスピーカーから放出されました。
このほかにも、昨年の金沢21世紀美術館で行ったエオリアン・ハープのインスタレーションに基づき、アルティアムが入っているイムズビルの屋上に弦を張り、その音をピックアップして、ギャラリーの構造物(鉄骨やガラス面)に響かせる「エオリアンハープ・リザウンディング」も展示。博多湾からの吹き寄せる風の変容がギャラリーのなかで「エオリアンハープ」の響きとしてきこえてくる作品でした。
このような僕自身が関わった作品のほかにも、ディヴィッド・ダンのオーディオ作品やロス・バンドのオーストラリアのMungo湖に仕掛けたエオリアンハープによる音響・映像をともなうインスタレーションなどが紹介。まさに、生命、土、風などが絡み合う響きの世界が実現されたのです。
Paphio in My Life
天井の塩ビ・シートに映し出されたパフィオペディラム
珪藻土の声
展示空間の傍らには、コップが用意され、珪藻土の小さな塊の響きを聴いてもらうコーナーも
水中の珪藻土と付着したマイク
4月13日付けの週刊アエラに掲載されたページ(この下の画像をクリックすると大きくなります)
2月21日から3月10日まで福岡市にある三菱地所アルティアム・ギャラリーで「Mind in Sound」というサウンドアートの展覧会が開催され、いくつかのサウンド・インスタレーションが展示されました。
そのひとつが「Paphio in My Life」。銅金裕司さんとのコラボレーションで、以前、新宿のオペラシティのNTT・インターコミュニケーションセンター(ICC)で展示された作品。蘭の一種のパフィオペディラム数十鉢によるもので、その電位変化の変容が天井の仕掛けられた数十枚の塩ビ・シートのよって音響化。ICCに比べ、展示空間のほどよい大きさだったため、蘭と人間との距離感、音響の広がりに一体感があったように思いました。
また、今回の展覧会のためにサウンド・インスタレーション「珪藻土の声」をあらたに制作。珪藻土とのつきあいは、2005年の金沢21世紀美術館での「珪藻土アートプロジェクト」からですが、昨年は、陶芸家の伊藤公象さんと文房堂ギャラリーで「珪藻土礼賛」という展覧会を行いました。このような経験を踏まえて、今回の作品では、焼成した珪藻土の塊を水に沈めて、その塊に内包された空気がはき出される吐き出される響きに着目。まさに「珪藻土の息」に耳を傾ける作品となりました。金沢21や文房堂では「珪藻土の息」の響きを録音して音素材にしましたが、今回は、まさにリアルタイムのなかの出来事として「珪藻土の息づかい」をとらえてみました。そのために、4つの小さな水中マイクを製作。水槽のなかに沈めた珪藻土の塊の表面にそれらのマイクを付着させ、ダイレクトに「珪藻土の息音」をキャッチ。その響きは、水槽の支えとなる土台に組み込んだ4枚のパネルスピーカーから放出されました。
このほかにも、昨年の金沢21世紀美術館で行ったエオリアン・ハープのインスタレーションに基づき、アルティアムが入っているイムズビルの屋上に弦を張り、その音をピックアップして、ギャラリーの構造物(鉄骨やガラス面)に響かせる「エオリアンハープ・リザウンディング」も展示。博多湾からの吹き寄せる風の変容がギャラリーのなかで「エオリアンハープ」の響きとしてきこえてくる作品でした。
このような僕自身が関わった作品のほかにも、ディヴィッド・ダンのオーディオ作品やロス・バンドのオーストラリアのMungo湖に仕掛けたエオリアンハープによる音響・映像をともなうインスタレーションなどが紹介。まさに、生命、土、風などが絡み合う響きの世界が実現されたのです。
Paphio in My Life
天井の塩ビ・シートに映し出されたパフィオペディラム
珪藻土の声
展示空間の傍らには、コップが用意され、珪藻土の小さな塊の響きを聴いてもらうコーナーも
水中の珪藻土と付着したマイク
4月13日付けの週刊アエラに掲載されたページ(この下の画像をクリックすると大きくなります)
by mamorufujieda
| 2009-04-19 21:43
| 展覧会